2011年03月21日

出荷停止された食品の放射線量を、タバコに換算してみた

よく物の大きさの比較のためにタバコの箱が置かれるのと同じように(あれを最初にやった宣伝マンは凄いですね)、基準値オーバーで出荷停止された食品から検出された放射線量がタバコに含まれる放射線量に換算するとどのくらいかを比較します。
注)ここではタバコに含まれる有害物質については除外しています。食品A=タバコ5本分と記載しても、タバコに含まれる放射性物質による影響×5の事であって、タバコに含まれる(放射性物質による影響+有害物質)×5ではありません。

放射能関係基礎知識

*これらを知らないと計算の根拠や危険性についてあまりわからないと思うので、難しく考えず大ざっぱに何となく掴む程度で大丈夫ですし、さらっと読んでみて下さい。知ってる人や信用するという人は飛ばしても問題無いと思います。(記事本文に直接関係無い記述もあります。)
飛ばす

【数字の単位】
1ミリ(m)=1,000マイクロ(μ)=1,000,000ナノ(n)
【放射能関係の単位】
ベクレル(Bq)=放射線の量 シーベルト(Sv)=生体への被曝の大きさ(放射線の与える影響の強さ) グレイ(Gy)=物質が放射線に照射されたとき、物質の吸収線量を示す値(Sv=放射線荷重係数×Gy)
【原発周辺(1時間あたり放射線量)】
通常時=0.05μシーベルト 中央制御室通常時=0.16μシーベルト 通報基準=5μシーベルト
【自然被曝】
自然に存在する放射性物質による被曝=世界平均年間2.4ミリシーベルト 多い地域例(イランのラムサール地方)=年間10ミリシーベルト
【タバコと放射性物質】
ポロニウム210と鉛210が含まれています。タバコは栽培において土壌や肥料から選択的にポロニウムを吸収するため通常より多く含有します。
タバコ1本あたり1.4〜8.2μシーベルト、1箱あたり27〜164μシーベルト、1日1箱で1年間喫煙すると10,000〜60,000μシーベルト。数字がばらつくので、この記事では暫定的に間を取った数字で計算します。
資料:ニューヨークタイムズに掲載された、スタンフォード大学の教授Robert N. Proctorによる記事では、1日タバコ30本喫煙すると、1年間で胸部X線レントゲン300回受けた事になるとのこと。
胸部X線レントゲンは1回あたり50〜300μシーベルト。
【食品衛生法暫定基準値】
1kgあたり、300Bq、2000Bq(ニュース記事によって基準値、暫定基準値が違ってます…)
【ヨウ素】
10,000Bq=220μシーベルト 300Bq=6.6μシーベルト 2,000Bq=44μシーベルト
【放射能基準値とリスク】
100mシーベルトの放射線量で0.5%程度(放射線医学総合研究所
当然放射性物質はそれ単体であり、タバコのように
【タバコに含まれる放射能以外の有害物質】
放射性物質以外に、たばこの煙には現在分かっているだけで4000種類以上の化学物質が含まれ、有害であることが分かっているものだけで200種類以上。(ベンゾピレン、ジメチルニトロソアミン、メチルエチルニトロソアミン、N一ニトロソノルニコチン、タール、アンモニアetc)現段階で検出されている程度の放射性物質より、むしろこちらの方が遙かに有害です。
【タバコ病リスク】
肺癌:4倍前後(400%前後
タバコというと肺癌だけであるかのような記述がされる事もありますが(喫煙者は特にタバコ病は肺癌だけだと思ってることがある)、COPD(喫煙者の4人に1人がなり、患者の95%が喫煙者、日本での死因ランク10位、復帰不能で、基本的に長年ひたすら苦しんで死ぬ辛い病気)など代表的なものをはじめ、タバコ病は他にも多数あります。
参考:能動喫煙によって起こる病気/受動喫煙によって起こる病気
【まとめ】
原発事故近辺でも無い限り、放射線量だけの比較でも、タバコの方が日常的に多く被曝している。もっともその被曝量自体は微量なので、ただちに問題となるわけではなく、タバコに含まれる有害物質の方が甚大な害を持っている。ただし、そのタバコに含まれる有害物質の害と、放射性物質が相互に作用して害を更に強めている可能性も高い(局所的な強力α線被ばくが発がんメカニズム?(岡山大学))。

またタバコはニコチンによる依存があるため、日常的・習慣的に有害物質と放射性物質を体内に取り込み続ける事が問題の本質の一端です。(タバコの問題はマナーの問題だけ、と片付けたがるのはJTとそれを取り巻く業者のお家芸です)

農作物に一時的に事故の影響で少し放射性物質が検出された事は殆ど問題ではなく、これによって風評被害が生じる事と、タバコがスポンサー・国・政治家・官僚など金と利権だけのために規制を免れている事の方が問題です。

また放射性物質が検出された事を理由に、無闇に海外から野菜を輸入する必要はありません(産地の怪しい農薬まみれの輸入野菜の方が危険)


記事引用元:
ホウレンソウ、茨城県が出荷停止要請 基準値超す放射線量
最高で1万5020ベクレルという濃度の放射性ヨウ素を検出した。

=15,000Bq=330μシーベルトの被曝量。しかし、普通に一日に食べるホウレンソウは100g程度(=33μシーベルト)でしょう。タバコ6、7本に含まれる放射線量程度。(タバコの害の主役は上記資料にある通り放射性物質以外の有害物質です。)

【出荷停止されたホウレンソウ一束(100g)の放射線量=タバコ6、7本に含まれる放射線量程度】

記事引用元:築地で集荷の春菊放射性ヨウ素検出
春菊から検出された放射性ヨウ素は4300

=1kgの春菊=90μシーベルトの被曝量。やはり通常、葉菜類を一日に食べる量は100g(9μシーベルト)前後でしょう。タバコ2本に含まれる放射線量程度。(タバコの害の主役は上記資料にある通り放射性物質以外の有害物質です。)

【出荷停止された春菊一束(100g)の放射線量=タバコ2本に含まれる放射線量程度】

記事引用元:東日本大震災:原乳放射性物質、33市町村で検出 /福島
放射性ヨウ素が1キロあたり▽飯舘5200ベクレル▽国見1400ベクレル▽いわき980ベクレル▽新地370ベクレル−−の4市町村で規制値300ベクレルを上回った。

=最大の飯舘でも、110μシーベルトの被曝量。通常、牛乳は一日に400ml(44μシーベルト)くらいのため、タバコ10本に含まれる放射線量程度。(タバコの害の主役は上記資料にある通り放射性物質以外の有害物質です。)

【出荷停止された牛乳(400ml)の放射線量=タバコ10本に含まれる放射線量程度】

記事引用元:福島県飯舘村で水道水の飲用控えるよう要請 「他に水がなければ飲んでも差し支えない」
福島県飯舘村の水道水から1キロ当たり965ベクレルの放射性ヨウ素が検出されたと発表した。原子力安全委員会が定めた摂取制限基準の3倍超にあたる。

=20μシーベルトの被曝量。体重60kgの人で一日2.4リットル(体重1kgあたり40ml)の水分を取る必要がありますので、45μシーベルト。タバコ10本に含まれる放射線量程度。(タバコの害の主役は上記資料にある通り放射性物質以外の有害物質です。)

【飲用控えるよう要請された水(2.4リットル)の放射線量=タバコ10本に含まれる放射線量程度】

放射能に関係する資料を読んでまとめて数字を計算しただけですが、どうやら殆ど問題無いようです。(文系が資料をまとめて作った文章なので科学的な裏付けの説明は出来ませんが。)

あくまでもこれは、タバコ〜本分の放射性物質が農作物の表面についてる・含まれるであって、タバコを吸う事でほぼ必ず吸入し健康被害を受けるような他の200種類にも及ぶ有害物質と同等の害を受けるわけではないという点、ご理解下さい。

被災地周辺の地域で検出された放射性物質の量が一時的に高まったとはいえ、それが永続するわけでもなく(ヨウ素の半減期は8日)、これ以上原発の爆発や漏れなど状況が悪化しない限り、一ヶ月以内に殆どのものが通常の数値に戻るでしょうから、問題はやはり無いでしょう。

法律の問題で現在出荷停止されたものは仕方ないですが、今後基準値を下回れば、これまで通りの品質の農作物が出荷されます

これまで通り出荷されると言うことは、これまで食べてきたものと何ら変わりもありませんから、無闇に忌避せず、これまでと同じように流通・売買されたものを、これまで通りに消費者は購入すれば良いのです。

よく考えて下さい。地震、津波、それに伴う火災の後に起きる事といえば殆ど人災です。原発の事故も天災の影響はあるとは言え、事後の対処はトップ判断を含めて人災です。節電中のコンビニにタバコ強盗が入るのも、被災地でタバコ窃盗が生じるのも、避難所で受動喫煙が深刻なのも、全て人災です。

一方で、例えば原発が危険な状態から安定へと向かう対応をしたのは、決死の覚悟で作業をした名も無き現場の人間です。被災地から次々と被災者を救出してるのも名も無き自衛隊員です。神や仏がいるかどうか知りませんが、人によって人は救われるのです。

被災地やその周辺地域の復興を目指したり風評被害を防ぐのも、逆に風評被害で被災地の人々を苦しめるのも、人間の思い・理解・頑張り次第で左右されるのです。

放射能を無闇に恐れる必要もありませんし、逆に安心しきるのも禁物です。例えばタバコの場合は、害は安定して一定量が出ていますが、原発事故の放射性物質は現場状況が急変する事もあるので、害が定量ではないです。怖いのはそこです。

常に最新の情報を仕入れ、それがどの程度のものなのか判断することが大切です。

デマや、ただなんとなくに左右され、日常にある危険なもの(タバコなど)を棚に上げて、放射性物質は怖いというイメージだけで危険と思い込み、被災地やその周辺の経済活動を阻害する動きは許されることではありません。地域の日常・経済活動といったものは、復興のための大きな力となるのです。

金と利権にまみれた汚いタバコに比べれば(タバコは口に含みますが食品衛生法は適用されず毒物が含まれますが毒物及び劇物取締法も適用されずその他諸々の制限を受けません。タバコ事業法によって特殊な保護を受けているようなものです。)、出荷停止された農作物ですら非常に安全で(出荷停止された野菜を10kg食べてもその量の野菜に含まれる放射性物質くらいではまだ有害とは言えず、例えもっと食べたとしても放射性物質の影響で死ぬ事はまず無く、先に腹がさけて死ぬくらいです。あと栄養の取りすぎで体を壊します。ホウレンソウだとビタミンAが多いため一日約160gで許容量です。野菜の栄養も過剰摂取は体を壊すなど問題が出ます。一方、タバコは3本飲み込むと致死量となる毒物で、適量というものがなく、使用法通り正しく吸入するとほぼ確実に体調不良や病気を引き起こします)、それを理解して対応するのが良識有る人間のつとめです。
posted by 美人薄煙 at 14:06 | Comment(2) | タバコ資料・考察・他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Bqは[個/sec]です。等価吸収線量[Sv]は、照射時間の関数です。ヨウ素13110,000Bq=220μSv
/s?/h?or/y 。タバコについても同様です、教えてください。
250mSv/y=0.03mSv/h=8nSv/s。原発作業限界レベル250mSv を、30μSv/hの飯館村1年間住む人は浴びることになるのですが。
Posted by 小幡松二 at 2011年04月11日 10:43
原発周辺ではなく、都内で受ける原発事故の影響による被曝を基準に書いています。そのことを本文中に記載して無くて申し訳ありません。
Posted by 美人薄煙 at 2011年04月24日 13:51
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