2011年03月28日

タバコの密輸は、タバコ会社の自作自演

タバコ密輸のメカニズムについて説明します。

よくタバコ会社が、タバコ値上げ議論が出るたびに「タバコの値上げをすると密輸や闇タバコが増えるから値上げ反対」などと言っています。

そのためタバコの密輸というと、イメージとしてはあたかも「近くの国、例えば中国や北朝鮮が、安いけど品質の低いタバコを製造・密輸し、それが日本に入ってくる」だけであるかのような印象を受けます。勿論そういった方面からの密輸・闇タバコもありますが、実は主役は別です。

タバコの密輸を主導してるのが何者かというと、実はJTやフィリップモリスのような国際的なタバコ会社が主役なのです。

世界の事情と、日本の事情、二つに分けて考えると良いです。

実際に海外ではJT他何社ものタバコ会社が、タバコ密輸問題で裁判となり多額の賠償金を支払っています。例えばタバコ会社は相手が密輸目的の仕入だとわかっていても、それに応じてジャンジャン売ります。それどころか、積極的に関わり密輸に関しての価格協定まで結ぶほどの、密輸に対する主導権を持っています。

タバコ会社の持つ厚いヴェールのために、簡単にしっぽを掴ませないようですが、それでも何件も立証されています。恐らく氷山の一角で、実際にはもっと多数の事例があると思われます。

世界的には、タバコの密輸とはタバコ会社が行うものなのです。


何故タバコ会社が自ら密輸をするのでしょうか。

それは“タバコ会社間でシェアを競争して勝つためには、自社ブランドのタバコをいかに上手く未成年に吸わせるか”が重要課題になるためです。

タバコ会社は、同業者とはタバコ規制を妨げるために同盟を組む一方で、シェア争いではライバルでもあります。


また、“特に未成年を対象にする場合は安価でタバコを吸う事が出来る環境を作る必要がある”ため、タバコ業界にとって、密輸によって未成年に安価にタバコを提供することは、将来の売上を支える重要なマーケティングです。タバコ会社は、未成年市場を常に開拓しないと未来が無いのです。(成人してからの喫煙の場合は禁煙に成功しやすい、など)

殆どの喫煙者は、タバコの銘柄をころころと変えないため、タバコ会社はうまく未成年に自社ブランドのタバコを喫煙させる事が、将来の売上を左右するのです。

密輸によって不正に安くタバコを市場に出す事で、喫煙者増加と自社ブランドシェア拡大に利用出来るのです。

だからタバコ会社は密輸を主導するのです。


日本ではタバコ事業法により、JTしかタバコ販売が出来ませんので独占的に販売が出来ますが、ブランドは海外のものも取り扱わなければならないので、その意味では独占ではありません。アメリカの外圧で海外タバコの関税が取り除かれて以来、海外タバコのシェアはなかなかのものです。そのあたりについては現代たばこ戦争などを参照。

輸入した海外他社のタバコよりも、自社ブランドのタバコが売れた方がJTにとっては美味しい話です。(逆に日本は陸続きの国が無いため密輸しづらい立地です。JTによるタバコ独壇場です。)

悪魔のマーケティング タバコ産業が語った真実によると、主要なタバコ会社は全生産の5%ものタバコを密輸にまわしている事が記載され、JTも密輸を行っているとはっきりと名指しで書かれています

レギュレーティング・タバコによると、JT含む主要な国際的タバコ会社は、EU9ヶ国から法的措置を取られた事件を引き起こしたとあり、日本は海外に恥をまき散らしたと言う事でしょう。(国際的な規模の企業で、こんな恥ずかしい日本企業はJT以外にあるのでしょうか?)

週刊東洋経済によると、ブリティッシュアメリカンタバコの幹部が中国への密輸を斡旋していたとして、香港で有罪判決を受けた。中国市場でのシェア拡大が狙い。ただしBATは「会社が組織的に関与した事実はない」と嘯く。

タバココントロール誌では、タバコ密輸防止の鍵はタバコ産業の制御だと明記されている。

タバコ会社同士では、役員が合法市場・密輸などの非合法問わず、タバコ市場での価格についてカルテルを結ぶ覚え書きまで交わしている。

こういったタバコ会社による密輸関与で、欧米では数々の訴訟が起き、複数の証拠をもとに賠償命令が出ている。

ただし、証拠が出て和解金を支払ってもなお、タバコ会社は表では体面のために密輸に関わっていないと主張したり、値上げすると密輸が増える、と社会に嘘と脅しと圧力をかけ続けている。そしてその裏では相変わらずの調子だ。


以上のように、世界規模での密輸問題を引き起こしてるタバコ会社、JTが、日本で値上げの話が出るたびに「密輸タバコの問題が起きる」などと言ってるのです。あたかも中国・北朝鮮がメインであるかのようなイメージを創り出して、実は主要なタバコ会社たちが主犯なのです。

日本人が知らないところで、JTが日本の恥をまき散らしているのです。勿論、密輸問題以外でも同様にです。


さて日本の場合を考えてみましょう。

なお、日本は島国なので陸続きの国などよりも密輸は難しくなり少なくなります。例えばアメリカでは州ごとに価格が違い、インディアンタバコ(先住民の特権で非課税のタバコ)まであり、陸続きで価格が違うから差額を稼ごうという密輸が島国に比べると非常にやりやすいのです。

日本は海で囲まれているので、統一価格で値上げすれば、海を越えて密輸するしかありません。タバコ会社一社のみが独占や認可となってるため、JT以外の代表的なタバコ会社はリスクが大きいのです。軽くてもかさばるタバコは、リスクなども考慮すると単価も安くそこまで割が良くないのです。常習性があるとはいえ、何回も利益の薄いタバコを密輸して捕まるリスクを背負うのも、密輸する側からしても美味しくありません。



ただタバコ会社など大手企業を通した正規の貨物に紛れさせるなどで、大規模でリスクの少ない密輸も可能です。

ただ日本では販売網をJTが殆ど一手に握ってるため、海外タバコ会社がタバコを流通させようにも既存の販売網を上手く利用するのは難しく、海外タバコ会社が日本に持ち込んだ後にどのように売るか、といった課題があります。


このように密輸の危機はゼロではないですが、JTの独占体制と、島国という地理的要因で、タバコ会社が複数ある国や陸続きの国よりはずっと密輸のリスクは低いです。

ただしタバコ屋のモラルは低く、未成年にも積極的に販売してる事は周知の事実であるように、密輸と明らかなタバコが流れてきても安ければ仕入れて売ろうとする事は十分考えられます。

またJT自身が密輸販売のための仕組みを作れば、シェア獲得と未成年獲得のための、安いJTタバコが市場に溢れるとも言えます。


要するに日本で大きな密輸が生じるとしたら、やはり他国同様にタバコ会社による密輸が発生するという事なのです。


追記
JTIの密輸事件をOCCRP (組織犯罪汚職摘発プロジェクト:Organized Crime and Corruption Reporting Project)が11月4日に明らかにし、ロイター通信も11月4日に報道。要点と翻訳はリンク先を参照。
JT international(JTI) による密輸事件についての調査要請
タグ:日本の恥
posted by 美人薄煙 at 01:38 | Comment(0) | タバコ資料・考察・他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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