2011年05月30日

よく見る【放射能とタバコ比較】で押さえておきたい要点 子供の未来を奪う企業

本文のざっとした構成:
子供の被曝→タバコと被曝→タバコの害と被曝の害は方向性が基本的に違う→産業・利権として類似するタバコと原発→タバコによる幼児が奴隷労働を強いられ苦しんでいる→タバコの環境破壊→タバコ産業による子供への売り込み

世間では子供への放射線量基準値が年間20mSvへと一気に引き上げた事に強い反発がある。これまでの基準値を一気に20倍に引き上げるという話は尋常ではないので、当然の反応だ。

当方では基本的に「世間が恐れている被爆そのものについては、距離や濃度や風向きによってはタバコと同等かそれよりずっと低い事もある。御用学者がやるような、単純な喫煙と被爆の比較ではなく、原発問題の本質とそのあり方(利権や隠蔽や処理や安全性の問題など)の問題を取り上げたい。」といったニュアンスで何度か表現している。

なお、タバコ問題は啓蒙活動や努力次第で10〜20年で激減させる事が出来る可能性は決して低くない。

一方、原発・放射能問題はそれが難しい。例えば原発は今から辞めても完全に廃炉にするまでに年月もかかる。放射能が半減するにも時間がかかる。ウランやプルトニウムともなると桁が違う。タバコ製造で事故が起きても火災や爆発で済む(むしろタバコ産業の損失=世界の利益になるので良い面もある)のだが、原発事故は言うまでもなく国際規模の問題であり、世界中の損失に繋がってしまう。

類似点も多々あり比較もしやすいが、基本的には性質が違う。ただし比較する事で、共通する問題をあぶり出すなどの意義はある。

例えばアスベストとタバコについても、アスベストよりタバコの害の方が大きいが、両方をあわせるとリスクは相乗効果がある。
アスベストのみ:リスク5.17倍 タバコのみ:リスク10.85倍 
では、アスベストもタバコもあわせれば、リスクは合計の16.02倍となるのかと思えば違う。リスクは53.2倍になる。
(Saracci,R.:Personal-envirommental interactions in occupational epidemiology.Rec. Ad. Occup. Health. 1:119-128.1981)
タバコとアスベスト ―タバコのリスクの方がはるかに大きい―

仏教ではたとえ話を用いて真実に近づくというやり方もあるし、放射能とタバコの比較にも意義はあるだろう。実際、東電とJTのやり口に非常に似ている点が見受けられる。

勿論、「放射能怖い」と言いながら喫煙する人たちや、「放射能でタバコ栽培が出来ない、保障しろ」などと言ってる愚か者への皮肉としても使いやすい。

(*当サイトはタバコ問題を中心にするため、基本的には原発問題は他の詳しい方に任せたい。あれこれ話題を広げると、どれも中途半端になるので。)

しかし近頃は、タバコと放射線被曝の比較が一人歩きしているようで、その間違った比較の仕方や間違った解釈での反発もあるようだ。

そのせいか、原発問題に関心が強く反対をしてる人で、タバコ業界寄りではない人や社会問題には関心がある人(ただしタバコ産業の問題について詳しくない人の)間では、しばしばタバコの害=被曝量と誤解するケースがあるようだ

タバコの害は、被曝量(1日1箱で年間〜〜mSv前後の被爆に相当、諸説あり)そのものはあまり大きな話として取り上げられないように思われる。最近の研究でタバコを吸う事で10分程度で遺伝子が傷つく事が発表されたが、これが被爆によるものなのか、他の数千に及ぶ化学物質の影響なのか、そこまで判明していない。

タバコには通常販売されている製品とは思えないほど、膨大な種類の強い発がん性物質が含まれる。それどころか法に抵触する毒物(毒物及び劇物取締法に規定されている毒物を含むが、タバコは食品でも医薬品でも無く取り締まる法律がタバコ事業法しかないようで、口に含み摂取するにもかかわらず食品衛生法や薬事法などの規制を受けない、殆どやりたい放題)すら含まれている。この毒物も自然に含まれるだけでなくタバコ産業によって添加されている、添加物によって吸収率までコントロールされているのだ。また企業秘密として公開されてないものもあるため、極端な話を言えば、製造や所持で違法となるものですら、混入されている可能性がある。

(この可能性を否定するなら、タバコ産業は、タバコに含有・添加される物質全てを明らかにして、各種法律に抵触しないと証明しなければならないが、今のところそれは行われていない。)

20mSvを許容するのは、タバコを子供に吸わせるのと同じだ、と怒ってる方がしばしば見られるが、それは大きく違う。放射能そのものが、タバコに含まれる各種有害物質のようなものを含むわけではないし、悪臭もしなければ中毒性も無い。(完全に見えない恐怖である。)

本当に単純に比較するなら簡単で、原発からかなり近い距離ならば被曝量は激増しタバコより確実に有害に作用するし、ある程度距離や風向きで被曝量が少なければ、タバコより圧倒的に少ない害になる、で済む。しかし時間要素を込めると、遠い場所でも蓄積が起きるから問題になる。結局は一元的にはタバコと放射能は比較出来ないのだ。

「年間20mSvの被爆は、毎日1箱喫煙する事でタバコに含まれる放射性物質から被爆するのと大体同じくらい」という表現は誤りではないが「年間20mSvの被爆は、毎日1箱喫煙する害と同じくらい」と言うと間違いとなる。これは要注意だ。

余談だが、喫煙者や喫煙者を装ったJTやタバコ屋などの利害関係者も、この比較に反発している。物の大きさの比較にタバコが使われる事には何も言わないが(というよりあれはタバコ業界関係者が宣伝手段といて用いさせたのではないかとも思えるが)、害の大きさの基準にされるのは許せないらしい。自分にとって都合の悪い話は認めたく無い、人の口に上る事すら許せない、というタバコ業界関係者の手前勝手な性質は、言論や表現の自由に反する。


さて被曝の害としてよくあがるのが、後の発癌率の上昇や、遺伝子が傷つく事、そして子供の将来を奪う事などがあげられる。ただちに害が無いためその影響を判明させるのは難しく、原因となる原発企業による責任逃れが起きる、というものだ。

しかしタバコ問題に詳しい人なら、ずっと以前からこれを知っている。

放射能・原発問題が、既にタバコ問題で上がってる諸問題と似通ってるからだ。

何十万、何百万人を追跡調査した結果(その調査も別の複数の調査が行われてるので、のべ数億人以上の調査となる)からは、タバコを吸ってる以外は吸ってない人と大差ない環境に生活してるのに、何倍も発癌率が高まる事が統計的に明らかになっている。(統計とは起きた事実である。タバコ産業は「統計に過ぎない」という言葉を多用するが、医学はもちろん殆どあらゆる研究は統計データを使うし、タバコ産業自身も統計データを元に研究を行っている。「統計に過ぎない」という言葉は統計をイメージダウンさせるだけのタバコ産業御用達の殆ど無意味な言葉とも言える。)癌の種類や、その他病気によっては何十倍も発症リスクが高まる。

そして先述の通り、喫煙して10分程度もすれば遺伝子は傷つく。子供の将来を(二重の意味で)奪うのはもちろんの事、害が現れるのは後になるため、本来なら責任のあるタバコ産業は責任逃れや時間稼ぎを続けている(他の先進国ではタバコ業界の隠蔽や内部資料が明らかになり責任がどんどん確定しているが、日本ではまだで完全な後進国となっている)。

そして原発企業もタバコ産業も、強い利権を持ち、広告費が莫大なためメディアに強い影響力を持ち、隠蔽や捏造が常態化し、安全意識が極めて欠如しており、経済的理由を盾に存続を強引に認めさせようとしている

なお、二重の意味で子供の将来を奪うとは、遺伝や病気という通常の健康問題や依存についての意味が一つ。もう一つは、喫煙する事で親や学校での評価が下がり周囲から期待さなくなったり、勉強やスポーツに身が入らなくなり劣等生になったり、パチンコを好むような低レベルな人との付き合いが増えて人間性が低くなり、ニコチンによるストレスによって暴力的・犯罪者になりやすい、などの意味。放射能・被爆の場合は二つ目の意味の害は基本的に無いだろう。


また環境に関わる点でも、原発とタバコは似通っている。とりわけ原発は核廃棄物の問題が大きく取り上げられているが、タバコも製造や廃棄についても似たような問題がある。

まず製造についてだが、葉タバコの主要な出荷国では、まだ歩けるようになって少しくらいの幼子までが、奴隷同然の過酷な環境下でタバコ栽培労働を強いられている

子供達は、皮膚を守る作業着も与えられず労働に従事し、典型的なニコチン経皮摂取による緑タバコ病・ニコチン中毒の症状に苦しめられている。(日本では、ニコチンは毒物及び劇物取締法上での毒物。)

発展途上国の幼児は「ときどき、充分に息を吸えない、酸素が充分にないような感覚になります。胸が痛くて息ができないことも。それから、血を吐くこともあるんだ。そして、頭痛がずっと続くよ」と症状を証言。また身体的、性的、精神的な虐待を受けていることを証言している。

日本においては、タバコによる児童の奴隷労働は無いとなっている(タバコの火を押しつけるなどの虐待はあるし、子供からカツアゲしてタバコ代を奪い取る喫煙者による事件などはしばしば起きている)が、例えば受動喫煙により乳幼児突然死リスクが4.7倍に跳ね上がる事などから、本来ならタバコは児童への虐待と見なすべきである。

児童労働が行われている事実はタバコ会社も認めている。勿論JTもこの事実を認識した上で、児童労働が行われている国から葉タバコを輸入している。

参考:【プラン・ジャパン】タバコの葉摘みでニコチン被害を受ける子どもたち 〜マラウィより〜 写真4枚 国際ニュース : AFPBB News
参考:フィリップモリス社 カザフスタンのタバコ生産における児童労働 - 世界の子どもを児童労働から守るNGO ACE(エース)

葉タバコ生産国では、タバコ生産が経済政策として取られている。タバコが世界に蔓延して需要があり、タバコが金になっている現状が続いている状況では、このタバコ優先生産政策を改めない。

真っ当な産業を発展させ、人間的な経済・生産活動へと移行することは、タバコが儲からない産業になるまで、恐らく無いだろう。

タバコ葉が輸出できる以上、発展途上国の政策は目先の利益を追いかける事に腐心するため、未来への投資や後々に効果の出る産業発展は後回しにされてしまう。(発展途上国の産業問題はタバコだけではないが、少なくともタバコ問題を解消すれば問題の芽を一つ潰せる。)

そしてこの事実は、タバコマネーを受け取ったメディアは基本的に報道しないため、殆どの喫煙者は自分が喫煙する事で、発展途上国の子供達が苦しめられてるという事実を知る事は難しい

タバコ会社がタバコを生産する・葉を輸入する、そして一般消費者がタバコを吸う事は、このような発展途上国の産業・経済の進歩を妨げ、通常の生存の基礎となる農業よりタバコ生産を優先させ、劣悪な児童労働を生じさせる事に荷担する。

原発推進する限り、他のエネルギー研究への予算配分が高くならないのと似ている。

また環境破壊についても、生産される現地では、土地を痩せさせ、生態系・環境を壊す。

特に森林伐採の大きな原因ともなっている事は見逃せない。製造過程のキュアリングという工程(タバコ葉を乾燥させる)で、莫大な燃料を使う。世界中で伐採される木の6本に1本がこのタバコ製造のキュアリング工程に費やされている。これは燃料としての木材使用の80%を占めるという、膨大な量になる。

JTは森林伐採だとイメージが悪くなるからと、キュアリングには重油を使用して乾燥させている。これもCO2発生や資源の無駄遣いなど、環境破壊に他ならない。加えて、タバコの放送や巻紙のための森林伐採もあり、JTの販売してる外国タバコのキュアリングは木材の燃焼で行われている。
洲本市資料:タバコと環境破壊

製造の時点で環境破壊をし、児童の奴隷労働を引き起こしている。その上、使用(喫煙)の際には有害な煙を出して喫煙者と周囲の人と建物などを汚染する。更にかなり多くの吸い殻がポイ捨てされ、土壌や河川や海を汚す。ポイ捨てされた吸い殻は何年も分解されずに有毒物質を出しながら残る。

製造から廃棄まで、一貫して環境を破壊し人に害を与える、という異常な製品がタバコである。


更に特筆するべきは、タバコ産業は子供をマーケティングのターゲットとして完全に狙っている事が挙げられる。

放射能が子供だけを狙って被爆させるような事は無いし、電力会社も子供をターゲットにして原発を作ってるわけではないが、タバコ産業は子供を積極的に狙っている。

タバコ会社は完全に倫理が無く、子供を対象としたマーケティングを心がけている。タバコ産業の内部資料が海外では明らかにされ、多くの子供を狙ったマーケティングが暴露されている。子供にタバコを吸わせるためのタバコ会社の計画『プロジェクトシックスティーン』などはタバコ問題を調べている人にとって有名だ。ただし一般には殆ど知られていない。

子供のタバコに対する関心や統計を、徹底的に調べ上げていかに子供にタバコを吸わせるか、タバコ産業が業界を挙げて取り組んでいたのだ。

喫煙者は、最初に吸ったタバコの銘柄に忠実となり、今回の震災のように特定銘柄が品切れにならない限り、ずっとその銘柄を吸い続けるため、タバコ会社は未成年喫煙者獲得に腐心していた。

例えば、過去の子供へのタバコ販売戦略の大きな例としては、当時オッサンしか吸わないのでシェア3%だったキャメルを、子供向けアニメとしてジョー・キャメルを前面に押し出す事と、男らしさの広告を出す事で、シェア13%へと伸ばし、特に子供の喫煙シェアをめざましく伸ばした。

しかも宣伝方法を変えただけで製品には手を加えていない。男の子に男らしさと取っつきやすさを与えただけで、いかにタバコがイメージだけで作られて中身の無い製品であるか、非常にわかりやすいエピソードである。

タバコ会社の子供マーケティングの一つに、漫画やアニメを利用する、という手段がある。その成果が最近出てきてるかもしれない。

近頃はニコニコ動画の影響で、オタク度の高い漫画も多少見るようになったが、妙にタバコ・喫煙シーンが目につく。オタク向けとか萌え系っぽい絵の漫画というと、読む前はどうもタバコなど出てこないような印象を持っていたが、実際にそういった漫画を読んで見ると結構タバコが登場して、しかも良いイメージで描かれている事が多い。

例えば、オタク漫画慣れしてない普通の感覚だと痛いキャラかもしれないが、主な読者層には人気っぽいキャラがかっこつけながら何か語りながらタバコを礼賛してる事なども。アニメは見ないから知らない。

実際、以前ならまず居ないと思っていたイメージの、明らかなオタクが喫煙している姿をあちこちで見るようになった。ネットでも、例えばニコニコ動画などでは、明らかにオタク系の動画投稿主がゲーム実況しながら喫煙している事が多い印象だ。

(これは統計的には意味の無いただの印象論だが、どうもオタクマネーを狙うパチンコ業界と同じで、タバコ業界もオタクマネーを狙ってるのではないかと思われる。)


子供の喫煙は子供の体に負担が強いだけでなく、ニコチン依存が強まり将来にわたって禁煙しづらくなります。また遺伝子を傷つけ続けるため、重度の疾患への罹患リスクも高まる。とりわけ、女性の場合生まれた時から将来卵子になる細胞が卵巣にあり、タバコはこの細胞の遺伝子を傷つける。この傷ついた細胞が卵子になり受精すると流産や奇形の原因にもなると言われている。

驚くべき事に、タバコ会社は1950年代からこの「子供へのマーケティング」に着目している

当時の内部資料や記録を紹介。驚くべき事に、全宣伝広告費の半分を子供向けの宣伝に使っているタバコ会社もあった。(タバコ・ウォーズ悪魔のマーケティングを参照。)
タバコ会社役員「たとえ経費がかかっても若者にタバコを売り込みなさい。なぜなら彼らはタバコを経験したがっているし、同世代の仲間にタバコを宣伝してくれます。また、人生の最後までタバコを吸ってくれるし、最初に吸い始めたタバコの銘柄を忠実に、いつまでも、吸い続けるからです。」(1957)

ついでに紹介しますが、子供だけでなく、女性を狙う販売戦略も内部資料から見て取れます。
「君といつまでも一緒にいたい。」などのスローガンを用いて積極的に女性に売り込み、Virginia Slimsの発売後6年間で女性の喫煙率は2倍になった。(1968)

フィリップ・モリス 「今日の子供達は、将来も喫煙を続ける常連客です。事実、喫煙者の大部分が最初にたばこを吸い始めるのは10代です。フィリップ・モリスにとって10代の喫煙習慣は特に重要です。」

RJレノルズ タバコ 「14-18歳の子供達の喫煙人口が増加する可能性があるという証拠があります。RJレノルズの将来の経営のためにも子供向けの新しい製品を開発すべきです。」

ブラウン&ウィリアムソン タバコ 「15歳から25歳の年齢に、重点的に、タバコを売り込むべきです。
彼らが見るTV番組や雑誌等にタバコ広告を掲載する効果を調査しましょう。」

ローリラード タバコ 「私たちの商売は高校生にタバコを販売することです。」

USタバコ 「わが社の新製品はキャンディーの味がします。キャンディーが好きな消費者向けの商品です。私が何を言いたいのか判りますか?」


このように、原発・放射能問題は、タバコ問題と似通ってる部分も多い。

タバコと放射能を並べて単純比較する、というものがネットに多数出回っているが、表面的な比較ではなく、会社のやり口などの角度から見るなど、より深い両社の問題を捉える事が重要だと思える。
タグ:日本の恥
posted by 美人薄煙 at 21:33 | Comment(0) | タバコ資料・考察・他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※特定記事に対するコメント以外は、問い合わせをご利用下さい。チェック頻度が低いので即日の反応など期待せず数日程度は待って下さい。
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。